ABAいしかわトピックス

2012年1月1日

石川県自動車車体整備協同組合 理事長 竹 本 行 雄 新年のご挨拶

石川県自動車車体整備協同組合 理事長 竹 本 行 雄

平成24年の年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。
昨年中は、当組合の事業活動につきまして組合員の皆様、賛助会員の皆様には格別のご支援ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
昨年は、忘れることのできない東日本大震災が発生いたしました。こつこつと築いてきたささやかながら幸せな一家の生命、財産が一瞬にして失われました。堅牢で安全だとされてきた原子力発電所も破損し、放射能汚染で周囲は廃墟と化し、人間の作り上げた世界など大自然の前には小さな抵抗であることをまざまざと見せつけました。国外では、ギリシャ国家が破たんするのではないかとの信用不安が、ECをはじめ世界中を震撼させ株価の暴落をみました。これもまた、人間が作り上げてきた経済神話の崩壊です。我が国でも政府、地方自治体が膨大な負債をかかえており、神話を作り続けているのではないでしょうか。いずれにせよ、「我が国だけは、自分のところはまだまだ安心だ」は、神話であることを肝に銘じて、今日の前進、明日への備えを怠ってはなりません。破損原発対応に追われ、遅れていた災害復興予算も、11月にようやく12兆円の第3次補正予算として成立しました。私たちの仲間も大きな被害を受けましたが立ち上がらなければなりません。皆様の大きな力添えをお願いいたします。
さて、第3次補正予算の執行により復興需要が発生し、国内景気が上昇すると予測されているほか、自動車のエコカー減税の延長、新車種HV車、EV車さらにPHV車の発売が予定されており、低燃費車への関心が高くエコカー比率が急増する可能性があります。このような需要傾向から、 自動車の低燃費化のため、車体素材も一段と薄い超高張力鋼板の採用やアルミから炭素繊維の採用などへと益々変化していくことが予想され、エンジン制御だけでなくドア制御、衝突回避制御など多くの箇所にコンピュータ制御が組み込まれ、鈑金業界でも一般整備工場並みにスキャンツールや特殊機器の保有が必要になり、機器を使いこなす高度な知識の習得も求められるようになってきました。
当組合では、高度な車体整備技術、新機構講習など、個々の企業では出来ない事業を積極的に行うほか、高価格の機器の共同保有も検討してまいります。
また、自家用車両運搬車の有償運送許可の取得、工場の認証取得等の企業コンプライアンスの向上、環境に配慮した事業へのステップアップ等により、さらに信頼される業界を目指して取り組んでまいりますほか、青年部会活動を積極的に支援し、優れた熟練技術を伝承しつつ、効率的で近代的視野に立つ活力ある経営者の育成を図ってまいります。
 冒頭に申し上げましたとおり、役員一同、業界の悲願である車体認証制度、車体整備士の有効活用の制度実現に、神話ではなく現実の議論を重ね、全力を挙げて取り組んでまいりますので、会員各位のなお一層の結束、ご協力を賜りますよう心からお願いいたしますとともに、皆々様のご繁栄とご多幸をお祈り申し上げ、年頭のご挨拶といたします。